新機種についてネット上の評価を拾い集め点数化した「AIレビュー」についてのコラムをお届けします。
「AIレビュー」とは、その機種におけるネット上の評価・コメントを拾い集めて点数化したもの。ポジティブな声が多ければ点数は高くなり、逆にネガティブな声が多ければ低くなる傾向になっています。あくまでも忖度無しのユーザーの声が点数に反映されますから、「点数が高い=ユーザーの評判が良い」「点数が低い=ユーザーの評判が悪い」と思ってください。
「演出」「スペック」「出玉性能」「ゲーム性」「ファン満足度」の各5項目100点満点で採点し、最終的に総合点も100点満点で採点しています。打つ前の指針になるかなと思っています。
今回は5月7日より導入されたパチンコ新台を「導入後評価」の総合点によるランキング形式で紹介したいと思います。パチンコ11機種が対象となっています。
AIレビューの点数や詳細なポジティブ・ネガティブ意見は新台ページからも確認できますので、ぜひ見てください。
1位(↑) P海物語 極JAPAN(三洋物産)
総合63点(72)
演出70点(78)・スペック55点(68)・出玉性能65点(75)・ゲーム性60点(70)・ファン満足度58点(70)
伝統的な「海物語」の枠組みの中で、現代的な高射幸性マシンの要素を取り込もうとした結果、評価が大きく割れている。リゼロタイプとも称されるRUSHシステムは、一部のプレイヤーには新鮮な刺激として受け入れられているが、その一方で、海物語シリーズに長年親しんできたファン層にとっては、これまでの「誰でも安心して楽しめる」というイメージからの乖離を感じさせる要因となっている。カスタム機能の充実は、プレイヤーが自分好みのゲームバランスを見つけ出す余地を提供している点は評価されている。しかし、カスタムなしでは演出が単調で画面を見る必要性を感じないとも解釈でき、海物語の魅力である「シンプルさの中にある奥深さのバランス」が一部のユーザーにとっては崩れてしまったと感じられているようだ。本機の評価は、パチンコ市場における「ブランドイメージの維持」と「革新性の追求」という、メーカーにとって永遠の課題を改めて浮き彫りにしているといえるかもしれない。
2位(↑) PF機動戦士ガンダムユニコーン再来 129ver.(SANKYO)
総合62点(50)
演出60点(45)・スペック65点(65)・出玉性能70点(55)・ゲーム性60点(50)・ファン満足度55点(40)
初当り確率約1/129というアクセスのしやすさと、LTによる一撃の破壊力を組み合わせた点が最大の魅力となっている。しかし評価は、LTへの極端な依存度によって大きく左右されてる。LTを体験し、大きな出玉を得たユーザーからは高い評価が寄せられる一方で、LTに到達できなかったり、通常STで苦戦したりしたユーザーからは厳しい評価が下されている。満足のいく遊技結果を得る唯一の道がLTであるかのような、デッドオアアライブ的なメンタリティが生まれやすくなっている。このようなスペックは、一部のプレイヤーには強烈な興奮と大きな報酬をもたらす可能性があるものの、平均的な遊技体験(LTなし、短いST RUSH)が一貫して物足りない、あるいはフラストレーションを感じるものであれば、長期的なプレイヤー維持に課題を抱える可能性があるといえる。初当りの軽さとは裏腹に、打ち手を選ぶハイリスク・ハイリターンな展開を求める特定のプレイヤー層に特化した仕様と評価されている。
3位(↑) デジハネP北斗の拳 慈母(サミー)
総合60点(66)
演出72点(75)・スペック63点(60)・出玉性能58点(65)・ゲーム性65点(70)・ファン満足度55点(70)
「LTの出玉性能」「超シンプルモードによる効率的な遊技」「100%突入の安心感」は特に評価されているが、「LT突入率の極端な低さ」「ST継続率への不安」「スペックと機種名のイメージ乖離による期待外れ感」(「慈母」という名称から連想される安定感と、実際のLT搭載による荒いスペックとのギャップ)など、懸念点も顕著になっている。LTによる一撃の出玉性能に魅力を感じる層と、甘デジとしての安定した遊技を求める層とで評価が明確に分かれており、幅広い支持を得るには至っていない。一方で、「超シンプルモード」のような時間効率を追求した機能は、現代の遊技ニーズに合致しており高く評価されている。今後のメーカーの機種開発においても参考にされるべき要素と言えそうだ。
4位(↑) P織田信奈の野望 下剋上(高尾)
総合58点(64)
演出60点(60)・スペック75点(75)・出玉性能70点(70)・ゲーム性75点(75)・ファン満足度40点(40)
一部のユーザーは、特にRUSHおよびLT中の圧倒的なスピード感、出玉性能、そして興奮度を高く評価し、「神台」との賛辞も見られる。しかしその一方で、痛烈な批判も後を絶たない。これらの酷評は、LTに突入したにも関わらず早期に終了してしまった経験や、大ハマリのような苦しい展開に起因するものが多い。本機の評価は、まさにLT搭載機の宿命とも言えるプレイヤー層の分断を典型的に示している。「下剋上」というテーマは魅力的であるものの、多くのプレイヤーにとっては「成り上がれない」厳しい現実を突きつけられる結果となり、その強い負の感情が、一部の肯定的な体験を覆い隠してしまうほどの影響力を持っている。「下剋上」というテーマは、意図した以上に文字通り、機種自体が市場での肯定的な評価を勝ち取るための困難な戦いを強いられている状況を映し出しているのかもしれない。
5位(↓) P ToLOVEるダークネス 100ver.(平和)
総合56点(71)
演出68点(78)・スペック60点(65)・出玉性能35点(62)・ゲーム性55点(70)・ファン満足度65点(80)
大当り確率約1/100、ST突入率100%というスペックは、ユーザーにとって魅力的に映り手軽に遊技できる期待感を持たせていた。しかし導入後のユーザー評価では、特に「出玉性能」に対する厳しい意見が多数を占めている。ST40回転「楽園計画」中に2回の大当りを引くことで突入する上位ST「超ハーレムTIME」(継続率約85%)へのハードルが体感的に高く、多くのユーザーが期待したほどの出玉を得られていない状況がうかがえる。この点が総合評価を大きく押し下げる要因となった。演出面では原作ファンを意識した作り込みやカスタム機能の豊富さが評価される一方、過去作との変化が少ないという指摘もある。現状の評価が継続する場合、一部の熱狂的なファンや、たまたま好調な展開を体験できたプレイヤーに支えられるニッチな機種として落ち着く可能性が高い。甘デジ市場においては、スペックの分かりやすさと体感的なリターンのバランスがよりシビアに評価される傾向があるため、本機の現状の課題は市場での立ち位置を難しいものにしていると言わざるを得ない。
6位(↓) P【超甘LT】江頭2:50inナナシ―奇跡の99%(豊丸)
総合52点(70)
演出65点(65)・スペック55点(80)・出玉性能50点(70)・ゲーム性55点(60)・ファン満足度45点(75)
大当たり確率約1/33・LT継続率約98.6%という、極めて魅力的なスペックを前面に押し出した機種であり、この組み合わせは理論上、低投資で遊技を開始でき、かつ大きな一撃も期待できるという、理想的な遊技体験を提供する可能性を秘めていた。しかし、導入後のユーザー評価を詳細に分析すると、この理想と現実の間には大きな隔たりが浮かび上がる。最大の魅力であるはずのLT「EGASYRUSH」への道のりは険しく、多くのプレイヤーがその恩恵を享受する前に脱落してしまっている。初当りの軽さが、かえってLTへ到達できないことへのフラストレーションを増幅させる構造になっている点は否めない。LT中の出玉性能に関しても、1回あたりの払い出しが少ないため、高い継続率の割には出玉増加のスピードが緩やかであるという側面も持つ。演出面ではIPの魅力が光るものの、ゲーム性全体としては、特にLT非突入時の単調さや、LTへの期待感を煽りながらもなかなか到達できないことへの不満が、ファン満足度を大きく押し下げている要因と考えられる。
7位(↓) e 仮面ライダーBLACK(京楽)
総合40点(78)
演出60点(85)・スペック25点(72)・出玉性能30点(79)・ゲーム性40点(75)・ファン満足度45点(80)
ユーザー評価を総合的に見ると、否定的な意見が圧倒的多数を占めている。特に深刻なのは、一部ユーザーからの「確率詐欺」という指摘で、「チャージの確率が詐欺レベル絶対表記が間違ってる」や、RUSH突入率93%とされる赤エフェクトが2回連続で失敗するといった、表示と体感の著しい乖離から生じる不信感に起因する。肯定的な意見も存在するものの、その多くは一撃大量獲得といった、極めて限定的な条件下での大量出玉獲得体験に紐づいているか、「デカヘソ」による通常時の回転効率の良さといった特定機能への評価に留まる。総じて「重すぎる」と評されるスペック、そして苦労して到達したLTが期待外れに終わる、あるいはLT到達自体が極めて困難であるという点が、多くのユーザーにとって大きな不満点となっている。
8位(↓) P乗物娘 whith CYBER JAPAN DANCERS 2nd season(ニューギン)
総合36点(71)
演出75点(78)・スペック45点(65)・出玉性能20点(70)・ゲーム性40点(75)・ファン満足度30点(72)
演出面での一定の評価や、スペックの分かりやすさといったポジティブな要素が存在するものの、ユーザーから最も重要視される出玉性能に対する著しい不満、およびゲーム性の単調さに対する広範な批判が全体の評価を大きく押し下げている。特に、継続的な遊技意欲を削ぐような出玉体験に関するネガティブな意見が多数見られ、これが総合的な満足度の低さに直結している。
本機は、複雑なLT機とは異なる、シンプルで分かりやすいST機として位置づけてられているが、そのシンプルなゲームループが出玉性能の低さによって「単調で報われない」ものになっており、「LT機に疲れた」ユーザーが求める「安心して楽しめる遊技」を提供できていないようだ。初期の段階で「出玉が期待できない」「ゲーム性が単調」というネガティブなイメージを払拭するという、困難な課題に直面している。
9位(→) PLT世界でいちばん強くなりたい!2(サンセイR&D)
総合35点(60)
演出45点(65)・スペック40点(55)・出玉性能25点(60)・ゲーム性35点(68)・ファン満足度30点(62)
LTによる継続率約99%という極めて高い射幸性を前面に押し出した機種であるが、導入後のユーザー評価は、この設計思想が市場の大多数の支持を得られていないことを明確に示している。一部の超高継続を至上とするプレイヤーや原作ファンからは肯定的な声も聞かれるものの、大半のユーザーは、出玉性能の乏しさ、通常時の単調さ、そしてスペックと実際の遊技体験との大きな乖離に強い不満を抱いている。特に、RUSH中のメイン大当りが2R(約140個)である点は、継続率の高さというメリットを大きく損ない、「連チャンすれども玉は増えず」というフラストレーションの源泉となっている。
導入前評価で示唆された「一部の熱狂的なファンと、敬遠する層とに評価が大きく分かれる可能性」は現実のものとなり、そのバランスは後者に大きく傾いている。結論として、本機は挑戦的な一台ではあるが、その代償として多くのユーザーの期待を裏切る結果となっており、市場全体の評価としては厳しいと言わざるを得ない。
10位(→) P攻殻機動隊SAC_2045 大入りLTver(ディ・ライト)
総合25点(55)
演出40点(45)・スペック25点(65)・出玉性能20点(76)・ゲーム性25点(50)・ファン満足度15点(55)
導入以降、否定的な評価が多数を占めている。LTへのアクセスの極端な困難さ、低払い出しが頻発する不満足な出玉構成、ホール側の運用による「大入りヘソ」機能の不全、そして前作との比較における劣後感が、その主な批判点である。
現状のユーザー評価を鑑みると、「一部の熱狂的なファンや、ハイリスク・ハイリターンを好むプレイヤーを除き、安定した人気を獲得するのは難しい」との見方が強く、本機が広範かつ持続的な人気を得る可能性は低い。低いファン満足度は、プレイヤーの定着率の悪さを示唆しており、このような否定的な初期評価を受けた機種が、ホール側の大幅な方針転換(例えば、釘調整の大幅な改善)なしに市場で再評価されることは稀である。本機は早期に多くのホールでバラエティコーナー扱いとなり 、早期撤去の対象となる可能性も否定できない。
11位(↓) P 宇宙戦艦ヤマト2202 超波動 森雪 199LT ver.(ビスティ)
総合22点(61)
演出20点(72)・スペック30点(62)・出玉性能15点(68)・ゲーム性10点(61)・ファン満足度10点(58)
導入以降、ユーザーから極めて厳しい評価を受けている。主な要因として、LT機能への期待外れ、単調で魅力に欠けるゲーム性と演出、そして「e押忍!番長」など競合機種との比較における劣勢が挙げられる。特に、LT突入へのハードルの高さと、RUSH中の出玉性能に対する不満が顕著である。初当たり時の1500個という払い出しは数少ない評価点であるが、それを補って余りあるほどのマイナス要素が全体の評価を大きく押し下げている。総じて、ライトミドルLT機としてユーザーが期待する遊技体験を提供できていない状況と言える。導入直後からこれほどまでに深刻かつ広範な否定的ユーザー評価が噴出している現状を鑑みると、本機の市場展望は極めて厳しいと言わざるを得ないだろう。
総括
今回の導入後評価では、「P海物語 極JAPAN」が1位となりました。導入前より全体的に点数を下げた機種が多く、特に下位の機種は相当な点数の下げ幅となったものも。
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