ここ最近、私はハラスメントについて追っています。特にパチンコ店でよく起こり得る「カスタマーハラスメント(カスハラ)」です。直近ではカスハラは自治体でも条例を施行するところもあり、また商業を営むところでもそれを啓発する販促物を掲げていることが多くなりました。
パチンコ店におけるカスハラは、以前にも取り上げているかもしれませんが、総じて「当たる、当たらない、回る、回らない」などのゲーム性に関すること、他のお客様との不公平さを訴えること、従業員の接客などに関すること、などと分類することができます。
カスハラでよく聞かれることといえば「お客様は神様です」の名文句でしょう。特にパチンコ店では、いわゆるギャンブルの範疇であり、かつお金に関わってきます。したがって、他のレジャーとはちょっと異なって、命よりも大事なお金を掛けているものなので従業員よりも偉く、お客なのだから何をやっても良いなどという考えを持っていらっしゃることも現状あるのです。
これはもちろん大きな勘違いで、無意識のうちに思い込んでしまっていること(アンコンシャスバイアス)が多いものです。「お客様=神様」ではなく、お客様も従業員も同じ人間です。「お金を使って遊技しているのだからサービスしろ!」とか、「●万円も使っているのだから、ランプで呼び出したら早く来るべきだ!」とか、「せっかく大当りしたのに、なぜ連チャンしないのか?」とか、「出玉はこれだけ少ないのに、何かやっているのか?」などと無理難題のクレームに対して、従業員の皆さんは真面目にお客様と向き合う必要があるのでしょうか。いや、従業員の皆さんだって他にやるルーチンワークもありますし、ホールオペレーション内の従業員の休憩を回すこともあります。
では、お店側もお客様側もどうすればよいのでしょうか?
まずは「正しい知識」を持つことです。特にお客様側ですが、楽しむ範疇での「オカルト」は問題ありません。でも、それを完全に鵜呑みにしてリーチや予告がハズレたことに対してのクレームを言ってはなりません。似た状況で、攻略雑誌や同サイトなどのゲーム性やリーチや予告の信頼度も同じです。基本は「パチンコやパチスロは絵柄が揃ったら大当り、そこまでの過程は当たってからでないとわからない」ということです。
もうひとつは店側からですが、「クレーム対応の境界線を決定して方針を明確にすること」です。店内に「遊技約款」を掲げているパチンコ店は多いと思います。しかしこれは決まりが細かすぎてしまい、かつ難しい文体で書かれていますので、わかりやすく示すことが必要です。法人単位や店舗単位で決まりを明確にし、必ず店舗の入口やホール内に提示することです。
カスハラを防ぐためには、これだけでは足りません。あくまでもカスハラを防ぐ、カスハラをさせないための手段のひとつです。現在では様々な価値観が多様化しています。その流れに乗り遅れないようにしていくことが必要です。
(文:ヨッツマングローブ)