今回は7月7日より導入されたパチスロ新台4機種を、「導入後評価」の総合点によるランキング形式で紹介したいと思います。
■対象機種
「LBパチスロ ヱヴァンゲリヲン ~約束の扉~」(ビスティ)
「アレックス ブライト」(ユニバーサルブロス)
「パチスロ わたしの幸せな結婚」(コナミアミューズメント)
「LBトリプルクラウン」(岡崎産業)
※「AIレビュー」とは、その機種におけるネット上の評価・コメントを拾い集めて点数化したもの。ポジティブな声が多ければ点数は高くなり、逆にネガティブな声が多ければ低くなる傾向になっています。あくまでも忖度無しのユーザーの声が点数に反映されますから、「点数が高い=ユーザーの評判が良い」「点数が低い=ユーザーの評判が悪い」と思ってください。「演出」「スペック」「出玉性能」「ゲーム性」「ファン満足度」の各5項目100点満点で採点し、最終的に総合点も100点満点で採点しています。
1位(→) 「アレックス ブライト」(ユニバーサルブロス)
総合72点
演出80点・スペック78点・出玉性能65点・ゲーム性85点・ファン満足度62点
「復活希望No.1」とメーカー自ら称するほどの強固なファンベースを持つ『アレックス』シリーズの正統後継機。シリーズファンからの評価は上々で、「アレックス」らしさがしっかりと継承されており期待を裏切らないデキであると高評価だ。
しかし「ボーナス確率の重さ」と「コイン持ちの悪さ」によって投資がかさみやすいという不満も多い。シリーズファン以外からは、3枚役(羽・羽・鳥)の成立を常に意識しなければいけないゲーム性もストレスだと感じる人も多く、参入障壁の高さにも繋がっている。新たに追加された「クラックチャンス」も評価が分かれるポイントで、一部のユーザーからは好意的な意見があるものの、特にシリーズファンからは伝統的なゲームフローを妨げる不要で邪魔な要素と見なしている。
ただ、シリーズ機としては特にファンにとって満足度が高いと評価されており、本機の質の高さは一部のファンにユニバーサル(A PROJECT)が高品質で奥深いノーマルタイプを開発する能力を持っていることを再認識させ、「ハナビ」のような他のクラシックシリーズをスマスロ形式で復活させてほしいという期待の声にも繋がっている。
2位(↑) 「LBトリプルクラウン」(岡崎産業)
総合43点
演出65点・スペック35点・出玉性能40点・ゲーム性50点・ファン満足度25点
長年にわたり沖縄のパチスロ市場で確固たる地位を築いてきた「トリプルクラウン」シリーズの最新作。沖縄という特定の市場で絶大な人気を誇るブランドを、スマスロという現代的なフォーマットで本土市場へ展開しようとする意欲的な試みの機種である。
総合評価は、やや厳しいものとなっている。リプ連のシステムや擬似遊技、野球をテーマにしたランプ演出等は好意的に受け入れられているが、液晶が搭載されている台に慣れているプレイヤーにとっては単調すぎると指摘。高設定の出玉率(約111%)こそ魅力的だが、低設定域のボーナス確率は重く出玉率も低いため、複数の情報源で「辛い」と評されている。通常遊技の魅力が薄いため、ホール側がある程度、高設定を投入していかないと稼働を維持するのは難しいだろう。
3位(↓) 「LBパチスロ ヱヴァンゲリヲン ~約束の扉~」(ビスティ)
総合42点
演出45点・スペック35点・出玉性能40点・ゲーム性50点・ファン満足度40点
期待が高すぎたのもあってか、導入前より大きく点数が下落した。
ゲーム性についてはの評価はユーザーの技術や知識レベルによって評価が割れており、一部の熟練者には奥深い「スロットを打つ楽しさ」を提供する一方、大多数のプレイヤーにとっては単調で退屈な「待ちゲー」と化している。BTに突入しない黄7揃いは「残念BIG」と評されており、SBIGが重く引きづらい設計が結果として単調さの増加や爽快感を失わせている。SBIGの比率がもう少し違えば、また違った結果となっただろう。新たに搭載された「コアフラッシュ」に関しても、期待度約34%とは思えないほど外れるという報告が多く「ガッカリ感が凄まじい」とまで表現されており、カスタムの作り込が甘いという意見が多い。
高設定の安定感こそ魅力的という意見で一致しているが、低設定はとにかく辛いとこちらも一致しており、高設定を適宜供給しないと長期的な稼働を保つには難しいだろう。
4位(↓) 「パチスロ わたしの幸せな結婚」(コナミアミューズメント)
総合38点
演出55点・スペック30点・出玉性能25点・ゲーム性20点・ファン満足度40点
本機は単なる「波が荒い」ではなく、プレイヤー体験が「成功者」と「その他大勢」に明確に分断される構造を持つ。出玉性能は最上位特化ゾーン「開花の刻/覚醒の刻」に極端に偏っており、そこへ至る道はあまりにも険しい。この構造は、ごく一部の成功者に万枚クラスの「神台」体験を提供する一方で、大多数のプレイヤーには投資が全く報われない「クソ台」体験を強いる。この中間層不在の設計思想が、レビューサイトでの評価の極端な二極化を生み出し、ホールにおける全体的な稼働貢献を著しく損なう要因となっている。また、複数のユーザーから「停止ボタンの反応不良」というハードウェアの欠陥も報告されている。
多くのユーザーレビューに見られるのは、原作の心温まる物語とは裏腹の、極めて過酷でストレスフルな遊技体験への戸惑いと怒りで、その結果、機種タイトルをもじった「わたしの幸せな離婚」という痛烈な皮肉も生まれている。これは単なる「出ない台」という評価を超え、IPが持つ感動やテーマ性を、ゲーム性が裏切ってしまったことへの深い失望感の表れと言える。
総評
導入後評価では、「アレックス ブライト」が導入前の高評価を維持し1位となった。他機種は導入前より軒並み評価を落としている。BT機のヒット機として期待されていた「LBパチスロ ヱヴァンゲリヲン ~約束の扉~」も、現状ではヒット機となる可能性は薄いか。
©UNIVERSAL ENTERTAINMENT
©2023顎木あくみ・月岡月穂/KADOKAWA/「わたしの幸せな結婚」製作委員会
©Konami Amusement
©OKAZAKI