カスハラ対策で必要なこととは?【パチンコは生活の句読点!】

筆者は前回、いわゆる「カスタマーハラスメント法(カスハラ法)」によって、企業のカスハラ対策が義務化されたことについて触れました。

筆者自身もパチンコ店の従業員として働いた経験がありますが、お客様とのトラブルはとても多いと感じていました。それは、お客様がお金を使って遊技し、勝ち負けが関わってくるからです。まだカスハラという言葉が使われる前の約30年前、パチンコ店の接客は現在とは違い、あまり良い印象を持たれていませんでした。

しばらくして、パチンコ店がサービス業であることに着目した法人が接客の概念を変え、お客様第一主義の考え方が次第に浸透していきました。しかし、それが「お客様は神様」という考え方になってしまい、パチンコ店に限らず、お客様を相手にする商売では、従業員よりもお客様が優先されるようになってしまいました。言い換えると、会社は従業員を守ることを後回しにしてきたのです。近年になって「パワハラ」がクローズアップされ、その延長線上で、ようやくカスハラも取り上げられるようになりました。

前回は、カスハラに対して会社が取り組まなければならないことをまとめましたが、特に最初の取り組みが重要です。それは……

・従業員の皆さんで、カスハラについて話し合うこと
・カスハラ対策のシミュレーションをすること

以上の2つを実施してほしいと思います。

まず、従業員の皆さんでの話し合いについてです。パチンコ店では、一部の地域を除いて、基本的に「店休日」を設けずに営業を続けていると認識しています。店休日がある場合は、その日にできるだけ全従業員が集まることが望ましいのですが、無い場合は、勇気を持って会社や店舗のために店休日を設けてほしいものです。

普段の接客や店舗での様々な取り決め、法人や店舗の方針などを浸透させるために、営業を休んで勉強会や会議を実施することは、ほとんどないのではないでしょうか。確かに、年中無休で日々の営業を続けることは大事かもしれません。しかし、お客様や従業員を大事にするのであれば、会社(法人)として、こうした方針や取り決めを浸透させる時間も必要なのではないでしょうか。その際は、できることなら会社の幹部の方々、もっといえば代表者の方にも、現場の従業員の皆さんと一緒に参加してほしいと考えます。

では、その場で何を話し合うのか。それは、その店舗(法人)における「カスハラの境界線」を明確にし、対応方針を決めることです。具体的には、経営者から現場の従業員までが一緒に「どのような言動がカスハラに当たるのか」を考え、その境界線を決めるために意見を出し合います。

人の価値観は様々であり、同じ考えの人もいれば、異なる考えの人もいると思います。まずは参加者の皆さんに、どのような言動がカスハラに該当すると考えるのかを挙げてもらい、それぞれに対応の重要度や優先順位を付けてもらいます。集まった意見を整理し、多くの人が挙げたものや重要度の高いものを確認しながら、店舗の方針を明確にしていくのです。最後に、その方針を踏まえて、カスハラへの対応をシミュレーションします。

前回も述べましたが、カスハラ対策はマストです。まだ分からないこともあるかもしれませんが、パチンコ店においても、まずはカスハラに関する方針の明確化から取り組んでいただきたいです。その方針をお客様にも伝えるために、店内にカスハラへの対応方針を記したポスターなどを掲示することも、一つの取り組みになると思います。自社で作成できない場合は、異業種や同業他社の参考になるものを確認し、使用の許可が得られるのであれば、早急に掲示することをおすすめいたします。

何よりも、カスハラ対策とは従業員を守ることなのです。

(文:ヨッツマングローブ)

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