新機種についてネット上の評価を拾い集め点数化した「AIレビュー」についてのコラムをお届けします。
「AIレビュー」とは、その機種におけるネット上の評価・コメントを拾い集めて点数化したもの。ポジティブな声が多ければ点数は高くなり、逆にネガティブな声が多ければ低くなる傾向になっています。あくまでも忖度無しのユーザーの声が点数に反映されますから、「点数が高い=ユーザーの評判が良い」「点数が低い=ユーザーの評判が悪い」と思ってください。
「演出」「スペック」「出玉性能」「ゲーム性」「ファン満足度」の各5項目100点満点で採点し、最終的に総合点も100点満点で採点しています。打つ前の指針になるかなと思っています。
今回は4月21日に導入された新台の「導入後評価」について、ランキング形式で紹介したいと思います。パチンコ3機種・パチスロ3機種が対象となっています。
AIレビューの点数や詳細なポジティブ・ネガティブ意見は新台ページからも確認できますので、ぜひ見てください。
パチンコ
1位(↑) P痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。(藤商事)
総合62点(72点)
演出75点(78点)・スペック55点(68点)・出玉性能50点(75点)・ゲーム性60点(76点)・ファン満足度78点(65点)
人気IPの魅力を活かした演出やキャラクター描写、そして図柄揃い後の100%ST突入という安心感、特にビジュアルや演出面での満足度は導入前より評価を上げているのが分かる通り、原作ファンからも高く評価されている。しかし、ユーザー評価を総合的に分析した結果では評価が大きく割れている。肯定的な意見は主にIPの魅力とSTへの入りやすさに集中している一方、否定的な意見はスペック・出玉性能・ゲームバランスに集中している。
特に、1/399という重い初当たり確率、RUSH非突入の可能性があるトレジャーチャンスの存在、そして最大の魅力であるはずのLT突入率の低さが、多くのプレイヤーにとって大きな不満点となっている。下位STの継続率は約70%と標準的だが、大当り時の出玉振り分けが低い方に偏りやすいとの体感報告が多く、「399の出玉感がない」といった厳しい評価につながっている。LTにさえ入れば継続率約85%と高い出玉性能が期待できるものの、突入に至るまでのハードルの高さが、多くのプレイヤーにとって厳しい挑戦となっている。
結論として、本機は原作ファンや、100%ST突入という安定感を好むプレイヤーには一定の魅力を持つものの、LTへの到達難易度と下位STでの出玉性能の低さが、幅広い層からの支持を得る上での大きな障壁となっている。演出の作り込みは評価される一方で、ゲームバランス、特にプレイヤーが最も期待する出玉性能の部分で課題を残しており、市場での長期的な稼働維持には厳しい側面があると言わざるを得ない。今後のホールでの扱いや、プレイヤーのLT体験率が本機の評価を左右するだろう。
2位(↑) e東京喰種(ビスティ)
総合54点(58点)
演出65点(60点)・スペック40点(45点)・出玉性能55点(70点)・ゲーム性50点(55点)・ファン満足度60点(60点)
導入初期のユーザー評価は、総じて「賛否両論」で大きく二極化している。人気IP『東京喰種』をその演出面に巧みに取り込み、ファン層の関心を集めることに成功している点は評価されている。特に、RUSH突入時の「ALL3000個以上」という出玉性能は、高い期待感を抱かせる要素となっている。しかしながら、そのポテンシャルを体験するためのハードルは極めて高い。1/399.9という大当り確率、約51%のRUSH突入率、そして特に批判の多い75%というRUSH継続率は、多くのユーザーにとって過酷なスペックと受け止められている。これが、極端な出玉の荒さに結びつき、少数の大勝者を生む一方で、多数のプレイヤーがRUSH非突入や駆け抜けによるフラストレーションと金銭的損失を経験している。
演出面では、「喰MAXハンド落下」や「先バレ」といった特徴的な要素が評価を二分し、ゲーム性に関してもRUSH中の単調さや通常時の作業感が指摘されるなど、コアとなるパチンコ体験に対する不満が根強い。
結論として、『e東京喰種』は原作ファンを引きつける力と一撃の爆発力を持つ一方で、その厳しいスペックと波乱の大きいゲーム性から、幅広い層に受け入れられるには課題が多い機種と言える。『からくりサーカス』や『ダンまち』といった競合機との比較において、スペック面で劣ると評価されることも多く、市場での成否はリスク・リターン構造を求めるプレイヤー層をどれだけ引きつけ、維持できるかにかかっているだろう。原作IPの魅力だけでは、長期的な稼働を支えるには不十分かもしれない。
3位(↓) Pゾンビランドサガ(サミー)
総合42点(80点)
演出35点(82点)・スペック25点(88点)・出玉性能45点(73点)・ゲーム性30点(78点)・ファン満足度55点(89点)
導入前評価では全ての水準で高評価となっていたが、導入後は各項目で大きく評価を下げた。全体として混合的から否定的な傾向が強く、特にスペックとLT機能、そして筐体に対する不満が評価を大きく左右している。本機は「ライトミドルスペックによる遊びやすさ」と「複雑だが高リターンのLT機能」を組み合わせるという意欲的な設計思想を持つが、その実行段階において多くのユーザーが「LTへの到達があまりにも困難である」と感じ、スペックの複雑さが「確率詐欺」といった深刻な不信感を生んでいる。理論上のポテンシャルとユーザーが実際に体験する現実との間に大きなギャップが存在し、これが低い総合評価に繋がっている。特に、筐体の騒音と振動の問題は、本来であれば回避可能であったかもしれない致命的な欠陥であり、遊技体験全体、とりわけ原作ファンにとって重要な音楽要素の享受を著しく損なっている。これは、IPの魅力を活かす上での大きな障害となっている。
結論として、「Pゾンビランドサガ」は、原作IPという強力な魅力を持ちながらも、LTへのアクセスの厳しさ、スペックへの不信感、そして深刻な筐体の問題点といった複数の欠陥により、そのポテンシャルを十分に発揮できていない。これらの問題を許容できる熱心なファン、あるいは幸運にもLTの恩恵を体験できた一部のユーザーを除き、広範な支持を得ることは困難である可能性が高いだろう。
パチスロ
1位(↑) L麻雀物語(オリンピアエステート)
総合58点(72点)
演出60点(80点)・スペック50点(65点)・出玉性能65点(75点)・ゲーム性45点(78点)・ファン満足度50点(70点)
天運招来フリーズや上位特化ゾーンによる一撃の出玉性能への期待感や、AT中の「天牌激闘」「覚醒」といったゲーム性の叩きどころを評価する声がある一方、通常時の退屈さ、CZ「麻雀乱舞」の突破難易度の高さ、弱レア役の空気感、そして投資スピードの速さに対する厳しい意見が多数見受けられます。特に、過去作(特に麻雀物語2)のファンからは、ゲーム性の違いに対する戸惑いや不満の声も聞かれました。設定差が比較的明確である点は評価できるものの、低設定域での厳しさや「デキレ感」を指摘する声が多く、全体的な満足度を引き下げています。このAT性能と厳しい通常時のバランスが、評価を大きく分ける要因となっています。
本機は、高いコイン単価とプレイヤーを引き止めるゲーム性により、短期的な稼働貢献は期待できる可能性があるだろう。しかし、ユーザーからの厳しい評価、特に通常時やCZへの不満は根強く、低設定中心の運用では早期に客離れを起こすリスクが高そうです。設定6の機械割は魅力的ですが 、高設定を投入しても安定した勝率を提供できるかは不透明であり、長期的な稼働を維持するためには、設定配分や設置台数の見極めが重要となるでしょう。
2位(↑) 吉宗(サボハニ)
総合43点(68点)
演出55点(70点)・スペック35点(65点)・出玉性能40点(65点)・ゲーム性45点(60点)・ファン満足度42点(70点)
特定層(主に初代「吉宗」ファン)からの熱狂的な支持が存在する一方で、それを大きく上回る量の否定的意見が広範なユーザーから寄せられている。
主なポジティブ要因としては、初代『吉宗』の再現性の高さ、特にBIGボーナスの711枚獲得仕様や1G連の期待感、そして「裏鷹狩り」モード突入時の爆発的な出玉への期待感が挙げられ、これらはプレイヤーにとって強い魅力となっている。しかし、これらのポジティブな点を打ち消すほどのネガティブな意見が多数存在する。最も深刻なのは、スペックに対する不信感で、特にBIG:REG比率が公表値(約6:4)とかけ離れ、実際にはREGに極端に偏るという報告が後を絶たない点である。さらに、通常時のゲーム性が「虚無」「単調」と酷評されており、多くのプレイヤーが苦痛を感じている様子がうかがえる。出玉性能の極端な波の荒さ、特に負ける際の厳しさも指摘されており、「ハイリスク・ローリターン」と感じるユーザーが多い 。
これらの要因が複合し、ファン満足度は著しく二極化。一部の初代ファンは満足しているものの、多くのユーザーは強い不満を表明しており、「二度と打たない」「ク〇台」といった厳しい言葉も散見される。結果として、ノスタルジーという強みだけではカバーしきれない、ゲームバランスやプレイヤー体験における根本的な問題を抱えていると判断され、総合評価は低い水準に留まった。
その厳しいスペックとゲーム性を、「吉宗らしさ」として受け入れることができるコアな初代ファン層には一定期間支持される可能性はある。しかし多数を占める強い否定的意見は、新規プレイヤーやライトユーザー、さらには初代ファン以外の層が本機を敬遠する大きな要因となるだろう。特に通常時の単調さやREG偏りによるストレスは、リピート遊技を阻害する可能性が高い。長期的な稼働を維持するためには、このコアなファン層の支持だけでは不十分であり、導入初期の話題性が薄れた後、稼働が急速に低下するリスクをはらんでいる 。現状の評価を見る限り、市場で広く受け入れられ、長期的なヒット機種となる可能性は低いと思われる。
3位(↓) スマスロ アイドルマスター ミリオンライブ! ネクストプロローグ(山佐ネクスト)
総合25点(73点)
演出35点(90点)・スペック25点(55点)・出玉性能20点(65点)・ゲーム性20点(70点)・ファン満足度40点(92点)
評価を総合的に分析すると、各側面のネガティブな評価が相互に関連し、悪循環を生み出している構造が見て取れる。まず、スペック面で低設定域の厳しさや、CZ・レア役といったトリガーの機能不全が、通常時の単調な「天井依存」の遊技を強いている。この苦痛なプロセスを経ても、出玉性能面ではAT・MSCの駆け抜けや低獲得枚数が常態化しており、プレイヤーは報われないと感じやすい。さらに、演出面での過剰な音量やバイブレーションが、このフラストレーションを増幅させる。結果として、コンテンツファン層でさえ、IPの魅力だけではこれらの根本的な問題を許容できず、満足度が著しく低下している。
メーカー側が示唆する「遊びやすい」というコンセプトは、オンライン上のユーザー評価を見る限り、完全に裏切られている。「遊びやすい」どころか、「厳しい」「苦痛」「単調」「報われない」といったネガティブな意見が圧倒的多数を占めており、設計思想と市場の受け止め方との間に深刻な乖離が存在する。これは、ターゲットユーザーの許容範囲を見誤ったか、あるいは意図的に極端なスペック設計を選択した結果、大多数のプレイヤーにとって受け入れ難い機種となった可能性を示唆している。
現在のスマスロ市場においても、通常時の単調さや出玉の波の荒さは一部の機種で指摘される点ではあるが、本機に対する批判はその中でも特に厳しいものとなっている。人気IPを搭載したにも関わらず、これほどまでにネガティブな評価が噴出している状況は、IPの力だけでは市場での成功は保証されないことを改めて示している。導入直後からこれだけ広範な不満が出ている現状を考慮すると、今後、劇的な評価の変化がない限り、長期的な稼働を維持することは極めて困難であると推測される。
総括
今回の導入後評価では、パチンコでは「P痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。」、パチスロでは「L麻雀物語」が1位となりました。
導入前に1位だった「Pゾンビランドサガ」「スマスロ アイドルマスター ミリオンライブ! ネクストプロローグ」が共に3位に落ちるなど、導入後に大きく評価が動いています。どちらもコンテンツ人気が強く、ファン満足度などで点数を大きく引き上げていましたが、いざ導入されてみるとスペックや出玉面等で厳しいところが目立ち、コンテンツ人気ではとてもマイナス面をカバーしきれなくなった…といったところでしょう。結局は台自体の面白さが重要になるので、コンテンツ人気だけで人気を得るのはやはり難しい。
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