
「クレーンマート大阪泉佐野店」店舗外観
ダイナムグループが運営するスーパーマーケット型クレーンゲーム施設『クレーンマート大阪泉佐野店』(大阪府泉佐野市)を8月5日(水)午後5時頃に視察した。
同店は6月20日にグランドオープンした1号店で、「買い物×娯楽」をコンセプトに、食品や日用品を景品とした新業態として注目を集めている。
オープンから約1カ月が経過した平日の夕方という時間帯だったが、店内には約100人の来店客がおり、人気は依然として高い印象を受けた。
ファミリー層を中心に幅広い客層
客層はファミリーを中心に、カップルや友人同士、年配夫婦まで幅広い。
中には8人乗りのミニバンで3世代が来店し、祖父母から孫まで一緒にゲームを楽しむ姿も見られた。一般的なクレーンゲーム専門店とは少し異なる、生活に密着した施設ならではの雰囲気が漂っている。
店舗は国道26号線・岡本交差点を曲がってすぐの場所に立地。同じ敷地内にはスーパー、100円ショップ「セリア」、コインランドリーなどが営業しており、買い物ついでに立ち寄れる環境となっている。
徒歩圏内には『グランキコーナ泉佐野店』も営業しており、パチンコホール利用客の流入も期待できそうだ。
「スーパー型」が一目で分かる売場構成

クレーンマートフロアマップ
店舗入口にはフロアマップが設置され、「日用品コーナー」「ドリンクコーナー」「食料品コーナー」「お菓子コーナー」「アニメコーナー」「10円で遊べるふぁみりーコーナー」など、スーパーマーケットを意識したゾーニングが分かりやすく表示されている。
店内へ入ると、その印象はさらに強まる。
景品となる飲料やカップ麺、お菓子、ティッシュ、洗剤などの段ボールが天井近くまで山積みされており、その圧倒的な在庫量に思わず目を奪われる。
「景品が無くなればすぐ補充する」
そんな店舗の姿勢が、そのまま段ボールの山となって表れているようだった。
「取れる」からカゴがどんどん埋まる

店舗外に持ち帰り用の段ボールが用意されている
実際にプレーしてみると、フックタイプのゲーム機は比較的成功体験を得やすい印象だった。
筆者の体感では、500円前後で景品を1つ獲得できるケースが多く、「取れる→景品補充→また取れる」というテンポの良いオペレーションが続いていた。
例えばペットボトル飲料であれば、一度に5~6本獲得できるケースもあり、持ち切れなくなった景品は専用カゴへストック。
店内を見渡しても、多くの利用客が景品でいっぱいになったカゴを引きながら店内を回っており、パチンコで言えば「ドル箱効果」に近い心理が働いているようにも感じられた。
景品が増えていく様子が目に見えて分かるため、「もっと取りたい」という気持ちを自然と刺激する。
気付けば1,000円の予定が5,000円に
筆者自身、「今日は1,000円だけ遊ぼう」と考えていた。
しかし実際には、「あと100円だけ」「もう一回だけ」を繰り返し、気付けば約5,000円を使っていた。
100円という心理的ハードルの低さに加え、ゲームのテンポが非常に速いため、つい財布のひもが緩んでしまう。
それでも獲得した景品を見ると満足感は高く、「買い物をした」というより、「楽しみながら景品を集めた」という感覚の方が強かった。

5000円の戦利品。桃や玉ねぎなど、生鮮食品も景品に
店舗運営で感じたこと
約1時間半ほど滞在したが、その間も来店客は途切れることなく、常に新しい利用客が店内へ入ってきていた。
平日の夕方でこの集客力であれば、土日祝日は相当な賑わいになることは容易に想像できる。
一方で、改善点として感じたこともあった。
獲得した景品は店舗外に用意された空き段ボールへ詰めて持ち帰る運用となっていたが、有料でも構わないので、大きめのレジ袋が販売されていれば利便性はさらに高まりそうだ。
また、生鮮食品も一定数扱われていたことから、地元農家の野菜や地域特産品を扱う「道の駅」のようなコーナーがあれば、地域創生という観点でも面白い取り組みになるのではないかと感じた。
クレーンゲーム市場への参入はさらに加速

見慣れた看板は「クレーンマート」に意匠変更
ダイナムはパチンコホール跡地を活用し、「買い物×娯楽」という新しいビジネスモデルを展開している。
その動きはすでに次の段階へ進んでおり、8月1日には2号店となる『クレーンマート愛知一宮店』をオープン。旧『夢屋一宮店』跡地を活用し、1号店と同様に食品・日用品を景品の中心としたスタイルを展開している。
また、クレーンゲーム市場へ参入する動きはダイナムだけではない。
「京一」ブランドのパチンコホールを展開する松原興産は、京都市南区に『クレーンプラネット久世店』をオープン。337台のクレーンゲームを設置し、10円から遊べるゲームやキッズ向け設備を備えるなど、ファミリー層を意識した大型専門店を展開している。
さらに、プローバグループも9月、岡山市内の「天満屋ハピーズ西大寺モール」に『PROVAX(プロバックス)西大寺店』をオープン予定で、約100台のクレーンゲームを展開する計画だ。
ホール跡地を活用するダイナムや松原興産、商業施設へ出店するプローバと、同じクレーンゲーム市場でも各社のアプローチには違いが見られる。
成功するのか、一過性のブームで終わるのか――。
業界ではさまざまな見方があるが、少なくとも今回視察した限りでは、来店客は子どもから高齢者まで笑顔でゲームを楽しみ、景品を手に満足そうに帰っていく姿が印象的だった。
そして何より、「1,000円だけ」と思っていた筆者が5,000円使ってしまったことが、この業態の魅力を物語っている。
パチンコ経営企業によるクレーンゲーム市場への参入は今後さらに加速する可能性がある。その中で『クレーンマート』がチェーン展開の成功モデルとなるのか、さらに各社がどのようなコンセプトで差別化を図っていくのか。今後の動向に注目したい。
店舗概要
| 店舗名 | クレーンマート大阪泉佐野店 |
|---|---|
| 所在地 | 大阪府泉佐野市南中安松849 |
| 営業時間 | 10:00~23:00 |
| 地図 |
