空気を読んで忖度する、新社会人に期待するのはそんなことではない【我市場的瑣末主義】

入社式イメージ画像

入社時期も流動化しているとはいえ、今春も多くの新卒が業界に就職した。かつての大量採用には遠く及ばないにしても全国で数千名に上るはず。業界を変える原動力となり得るか。

世の中には査定されるのが好きな人がいる、と思想家の内田樹氏(『ためらいの倫理学』)。「とくに、『いい点をとる』ことに慣れている人、『いい点をとること』ができる人は、査定されることを厭わない傾向にある」。

要領のいい受験生は出題者がどういう答えを書いて欲しいかを読み当てる能力にたけているのだ、と。受験勉強などの査定型知的トレーニングは、結局どう答えれば相手が喜ぶかを「見透かせる」能力の涵養に役立つだけ、と看破する。「私はそのようなものを『知性』と呼ぶ気になれなかった」。

ところが、受験勉強だけでなく、社会人の日々の生活は「相手の喜ぶことを見透かして上手に立ちまわる能力」だけを要求される場面で埋め尽くされている。結婚や家庭生活さえも。つまり、あらゆる人間関係の根本には相手が喜ぶことを見透かす能力こそが求められる。

まわりの顔色を伺う、忖度する、空気を読む。そこには社会が醸成してきたルールがある。ただ、ルールが変わる時には何の役にも立たない。新しい知性が次を押し開く。

※本コラムは「日刊遊技情報」より抜粋

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