
近年のパチンコ市場において、「デカヘソ」や「固定スタート」といった回転数を上げるための仕組みを搭載した機種が増えつつある。
背景にあるのは、長年ユーザーから指摘され続けてきた「回らない」という問題だろう。私が打ち始めた頃のパチンコは、釘調整による差こそあれ、ある程度は回転数を期待できた。しかし近年はホール経営を取り巻く環境の厳しさもあり、「千円で十数回転」という状況も珍しくなくなった。
そうした中で登場したのがデカヘソや固定スタートの搭載機である。
デカヘソは文字通りスタートチャッカーを大きくすることで回転率を向上させる仕組み。一方の固定スタートは、ヘソまでのルートにある釘が少ないため一定の回転数が保証される。
いずれもユーザーが抱える「回らない」という不満への打開策として生まれたものだ。
しかし、ここで一つ疑問が浮かぶ。
本当にユーザーはこれを求めているのだろうか。
デカヘソ機が登場して数年が経過したが、市場全体を塗り替えるほどの存在にはなっていない。固定スタートは、まだ出始めたばかりということもあるが成功例が見当たらないのが現状だ。
結局のところ、ユーザーが機種を選ぶ際に重視しているのは「回るかどうか」だけではないのかもしれない。
例えば「Pリコリス・リコイル」が仮にデカヘソ機だったとしても、「デカヘソだからヒットした」と評価された可能性はある。しかし実際には通常仕様で大ヒットした。
逆に言えば、ヒットした機種に後から理由を付けているだけで、本質的にはコンテンツやスペックの魅力が優先されているとも考えられる。
また、固定スタートについては別の懸念もある。
誰が打っても同じような回転数になることに対し、「それは本当にパチンコなのか」という意見も存在する。もちろん極論ではあるが、遊技性と公平性のバランスをどう取るのかという問題は避けて通れない。
現状を見る限り、デカヘソも固定スタートも市場の主流になるまでには至っていない。ただし、それは失敗を意味するわけではない。
初心者やライトユーザーが遊びやすくなるという点では、今後も一定の役割を担うだろう。
結局のところ、パチンコファンが求めているのは「デカヘソ」でも「固定スタート」でもなく、「納得して遊べる環境」なのかもしれない。
その答えを探す試行錯誤は、まだしばらく続きそうだ。
