
名古屋市中村区に本社を置くパチンコメーカー・豊丸産業は7月28日、「パチンコファンの皆様へ 当社パチンコ事業停止に関するお知らせ」などを公表し、7月31日をもってパチンコ事業を停止すると発表した。昨今の事業環境や経営状況を踏まえ、慎重に検討を重ねた結果、事業停止を決断したという。
豊丸産業は1960年設立。「ナナシー」や「コマコマ倶楽部」をはじめ、独創的なゲーム性を備えた数々の遊技機を市場へ投入し、長年にわたりパチンコ業界を支えてきた老舗メーカーだ。
近年は遊技機事業に加え、2014年に設立した「未来事業室」を中心に事業の多角化も推進。福祉施設向けレクリエーション機器「トレパチ」の開発・販売やフィットネス事業など、パチンコで培った“遊び”のノウハウを福祉分野へ展開する取り組みでも注目を集めていた。
今回の発表では、現在全国のパチンコホールに設置されている同社製遊技機について、検定期間内であれば各ホールの判断により引き続き設置・運用できるとしており、直ちに遊技できなくなるわけではないと説明。また、公式ホームページや公式YouTubeチャンネル、公式X(旧Twitter)についても当面は閉鎖せず、更新頻度は低下するものの、必要に応じて情報発信を継続するとしている。
なお、未来事業(福祉事業機器販売)については、現在、事業を拡充すべく、運営体制の見直しを進めているとし、新たな事業運営体制が決定するまでの間、新規の注文および新規導入の受付を一時停止する。
同社は発表の中で、「創業以来、多くの遊技者の皆様に支えられ、数多くの遊技機を送り出すことができた。長年にわたり賜りましたご愛顧、ご支援、ご声援に社員一同、心より厚く御礼申し上げます」と感謝の意を表明するとともに、事業停止によって関係者に心配と迷惑をかけることを謝罪した。
「ナナシー」をはじめとするヒット機種を生み出し、福祉分野への挑戦など独自の歩みを続けてきた豊丸産業。約66年に及ぶ歴史に幕を下ろすこととなり、老舗メーカーのパチンコ事業停止は、縮小が続くパチンコ市場の厳しい現状を改めて印象付ける出来事となりそうだ。
