最低賃金の上昇幅は過去最大に、パチンコ店への影響も大きい【寄稿コラム】

パチンコホール店内イメージ

令和7年度の地域別最低賃金が公表された。全国加重平均は時給1,118円、上昇幅は過去最大の平均63円に達した。全国的に60円超の引き上げはパチンコ業界にとって極めて大きなインパクトをもたらす。特に採算ぎりぎりで運営するホールにとっては、最低賃金付近の条件自体が厳しく、また時給を上げないと今のスタッフさえ離反してしまうかも。

統計を見れば店舗当りのホール台数は増加している一方、従業員数は年々減少している。背景には自動化の浸透がある。玉計数機や各種システムに加え、近年はスマート遊技機が普及し、業務量の削減と人件費抑制が加速した。経営効率化という意味では有効な一手だが、必ずしも稼働の向上や顧客満足度の維持につながるとは限らない。

現場の声としてはスタッフが多い店舗ほど不正抑止効果が高く、接客の厚みが稼働を押し上げる側面があるという。一方、人件費を抑制し、その分還元率を高める戦略も存在する。いずれを選ぶにせよ人件費の限界が迫る中での判断は経営者にとって避けられない課題となるだろう。

今回の大幅な最低賃金引き上げはホール経営の在り方そのものに再考を迫る契機となると考えられる。効率化とサービスの両立をどう図るのか。その答えが、今後の競争力を大きく左右するのかもしれない。

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