私がパチンコ店に勤務していた時、意外と自分が好きだった業務がありました。それは「頭取り(競合他店舗)調査」です。パチンコ店に勤務したことの無い皆さんでも、パチンコ店で遊技していると他店舗の従業員が表を持って調査するシーンを目撃したことがあると思います。
あれは何をやっているのか? 間違っていたら恐縮ですが、ただ単に他店舗の稼動数をカウントしているだけではないのです。調査当日の販促物から読み取れること、調査当日のイベント、その反対に次の日やその先の日程からの今後の営業展開、次の新台入替でどんな機種が導入されるのか、店内の販促展開や景品コーナーでの展開、トイレでの販促展開、などなどです。
前記しましたが、肝心である遊技機の稼動数をカウントします。これは法人によって考え方が異なると思いますが、調査店舗の全島図に機種名を記載した調査表を作成する場合もあれば、大体の確率ごとに分けてカウントする場合もあります。いずれにせよ、パチンコとパチスロと全体数を数えます。複数の他店舗も同様にカウントして、自店舗も同じようにカウントします。最終的には、それらをまとめて全体の数値から各店舗の占有率なども示して比較や分析をして、その後の自店舗戦略に活かしていきます。
私は現場の一般正社員でしたので、その先の自店舗の営業施策や機種選定などまで携わることはありませんでした。しかし他店舗ではどんな戦略をするのだろうか、もっといえばその法人のトピックと合わせてどんなことをこれからやっていくのだろうか、などをデジタル的な数字などで示していくのではなく、アナログ的に業界誌などから仕入れる情報網を絡めたことを得意としていました。
これは法人によって考えが分かれると思いますが、こういった競合店調査を正社員が担当する場合もあれば、はたまたアルバイトやパート従業員に任せていることもあります。私は個人的な意見ですが、こういった行動はなるべく正社員以上に任せるようにしたほうが良いと思っています。
その理由は、やはり営業的な視点や確認をするには正社員以上が適していると思います。それに、店舗の数字を変化させる責任はアルバイトやパート従業員以上に正社員が担っているからです。
他店舗調査においては、単に他店舗の状況だけでなくカレンダーの動向、地域の動向、世間の動向なども加味しなければなりません。とてもシビアな作業のひとつですが、客観的に他店舗の手の内が見えてくることもあります。その興味があって、現在の私があるのかもしれません。
(文:ヨッツマングローブ)