デジタルコンテンツの著作権に関する保護と普及を行う一般社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)は4月8日、オンラインカジノパチンコ・パチスロを違法に遊技した様子を著作権者らの許諾なくYouTubeに投稿するなどしていた岡山県の会社役員ら3名を著作権法違反(公衆送信権侵害)の容疑で逮捕したと発表した。
警察によると、違法遊技と撮影を行う者、動画を作成・編集する者などの役割分担を行い、共謀して動画を無断公開していた疑いが持たれている。なお、今回摘発された一部の被疑者は、本年1月30日、オンラインカジノにおける常習賭博の容疑で岡山県警察に逮捕されていた。なお今回の著作権法違反事件でACCSが対応した機種はカプコン(藤商事製)の「PストリートファイターV FRY」、北電子の「アイムジャグラーEX」、三洋物産の「CR大海物語4MTB」、大都技研の「吉宗」、平和の「CR銀河乙女M9AZ1」の計5機種。
ACCSは「遊技行為が賭博となるオンラインカジノにおいて、違法遊技のための実機映像のストリーミング配信によって著作権侵害行為が生じていること、加えて動画サイト等の紹介を通じて更なる著作権侵害行為が発生し、賭博犯罪をも助長していることは、著作権侵害行為の抑制に努めるACCSにとって、また関係法令を徹底して遵守し適法かつ健全な遊技を一丸となって推進するパチンコ・パチスロメーカーにとって絶対に容認できない。今回はオンラインカジノでの違法遊技に関する動画の公衆送信について摘発されたものだが、この摘発をきっかけとして、本件オンラインカジノにおける著作権侵害と背後関係などの全体像が明らかになることを期待し、さらに、オンラインカジノにおける違法遊技のための実機映像のストリーミング配信行為そのものを廃絶すべく権利者としてさらなる対策を講じていくとともに、違法となるオンラインカジノへのアクセス・遊技をしないよう、改めて広く呼びかけていく」としている。
この件について日工組および日電協は「警察庁や消費者庁から啓蒙されている通り、日本国内ではオンラインカジノに接続して賭博を行うことは犯罪(賭博罪や常習賭博罪に該当)であり、映像や音楽などの知的財産を含め遊技機が悪用され賭博犯罪を助長することを容認できない」とコメントしている。