スマート遊技機設置状況

スマート遊技機の導入と現在の動向

2022年11月、玉やメダルを使用しない新たな遊技機「スマート遊技機(スマートパチンコ=スマパチ/スマートパチスロ=スマスロ)」の導入が開始された。これはギャンブル等依存症対策強化の一環(出玉情報等を容易に確認できる遊技機の開発・導入)として、2018年2月の規則改正により開発が可能となったもので、射幸性が過度に高まることを防止し、遊技に費やす金額・時間・回数の適正化を目的としている。

2022年11月に「Lバキ」や「L革命機ヴァルヴレイヴ」といった人気タイトルが登場したスマスロは、従来機を上回る出玉性能と高い話題性でプレイヤーの支持を獲得し、スマスロ市場拡大の原動力となった。2023年に入ると各メーカーが対応機種を次々と投入し、「スマスロ北斗の拳」(サミー)の大ヒットを契機に、スマスロ比率は急速に拡大していった。

一方、2023年4月より導入が始まったスマパチは、「大当り確率の下限が1/350」や「Cタイム」といった新要素を備えていたものの、遊技体験の革新性を訴求しきれず、設置台数・店舗数ともに伸び悩む状況が続いた。しかし、2024年7月より「ラッキートリガー」を搭載した「e花の慶次〜傾奇一転」や「e北斗の拳10」などが登場すると、パチンコにおいてもスマート化を進める傾向が徐々に強まっていった。

現時点(2025年10月)では、スマスロの設置シェアは約54%、スマパチが約20%。パチスロはスマスロのリリースが大半を占める一方、パチンコ側はメイン機であってもP機での販売が見られる状況と、パチンコとパチスロで進行度に差はある。それでも、業界全体として「スマート化」への流れは確実に定着しつつあり、これに伴う遊技環境の効率化や新しいファン層の獲得に向けた展開が期待される。

スマート遊技機の設置推移



※毎月月末週データにて集計

※毎月月末週データにて集計


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